ぬちマース(命の塩)── 2003年にミネラル含有量世界一でギネスブックに掲載された他、中小企業庁長官奨励賞を受賞するなど、県内外で高い評価を得ています。ぬちマースを製造販売するベンチャー高安は、塩の分野において沖縄ブランドを確立させたといえるでしょう。 今回「沖縄の○印」ではこれまでのような細かなモニターを行っていませんが、自信を持っておすすめできる商品だという判断からここに紹介することになりました。 今回はプロダクトインタビューを中心にお届けします。ぬちマースを開発した代表取締役の高安正勝さんを訪ね、開発に関するお話やぬちマースへの思いをお伺いしました。
◆ プロダクトインタビュー
── 瞬間空中製塩法を開発したきっかけは。
40年の努力と1秒のひらめきとしかいえない。
高安さん(以下敬称略):実は小学4年生のときから物理学者か発明家になりたいと思っていました。そのころは大人たちが全部発明してしまって、もう自分が発明するものは何も残っていないんじゃないかと、心配しながら勉強していました(笑)。
そんなわけで琉球大学物理学科に入学し、卒業後は大学院へ進学しようと考えていました。でも英語が苦手だったので(笑)、大学院を断念して南西航空へ就職、そこに12年いましたが、その間も発明は続けていました。
琉大卒業後は、生物物理学を趣味として、独自に勉強していました。160億年前のビッグバンに始まり、46億年前に地球が誕生し、40億年前に生命が生まれ海の中で進化してきたわけですが、「生命の本質とか何か」を自分なりに勉強してきました。
発明家なら誰でもそうでしょうが、何を見てもつねに工夫しようと考えていること、さらに生物物理学の知識があったおかげで、平成9年1月1日の新聞で塩が自由化されるという記事を見た瞬間、製塩法ができたわけなんです。
ひらめいたというよりもあの記事を見たとたんにパっとできたんです。
── 国際特許を取得した瞬間空中製塩法とは。
原理は簡単。ただ海水をどう蒸発させたか。
高安:この製塩法は独創的ということでアメリカをはじめ世界20カ国で特許を取得しています。原理はとても簡単です。
海水を霧状にして吹き出したものに温風をあて、水分だけを蒸発させるというものですから。水分が蒸発した後は、海水に含まれていた塩とミネラルだけが残るわけです。
海水を霧状に吹き出す装置も開発しました。これは、南西航空を辞めた後、蘭栽培をやっていたんですが、そこでビニールハウス内の温度を下げるために開発したものなんです。
水が蒸発する時に、回りの温度を下げるという原理です。もちろん、当時はこれで塩ができるとはその時は思っていませんでした。なぜならこれで塩を作ろうと思ってその装置を開発したわけではないですからね(笑)。
高安:苦労というほどではありません(笑)。頑張ったという意識もない当たり前にやってきました。
平成9年1月1日に製塩法を発明して、2月18日には特許を提出、そして3月18日にはもうベンチャー高安を興しました。
なぜかというと、自分でいうのもなんですが、この瞬間空中製塩法が、とてもすばらしい発明だったからなんです。
コストや時間、労力も従来の約10分の1以下ですむ他、さらに生命に一番大切なミネラルを豊富に含んだ塩だということ。
そういった理論的裏付けがあったし、間違いないという根拠があったからなんです。だから銀行もすぐにお金を出してくれると思っていましたが、当時は県も国もだれも相手にしませんでしたね(笑)。
そんな方法で塩ができるわけがないと思っていたようです。それで海辺に工場を作るのは無理ということになり、やむを得ずビニールハウスの一部を改良して工場を作りました。
中古のトラックを買いこんで海水を運んできて、実際に塩をつくり始めたのは、会社を興した年の翌年、平成10年の5月。だから海の近くではなく、山の中に工場があるんですよ(笑)。
── ミネラル含有で、ギネスブックに認定されていますね。
ぬちマースに込められた思いがここに。
高安:2000年に世界最多の14種のミネラルを含む塩としてギネスブックに載り、その後、日本食品分析センターで詳しく分析をしてもらった結果、21種も含まれていることが分かり2003年にもまた認定されました。
生命にとって不可欠のミネラル元素は34元素ありますが、そのほとんどが海の中にあるんです。なぜかというと陸地にあるミネラルは、雨が降るたびに海に流れ出しているからです。
海水の水分だけを蒸発させた「ぬちマース」には、生命の維持に必要なミネラルが21種も含まれていますが、これはすごいことだと思いませんか?
高安:塩をたくさん食べると高血圧になるというイメージがありますね。ぬちマースの塩分は全体の73%ほど、普通の食塩はナトリウム120%で何の栄養も含まれていません。
さらに、ぬちマースに含まれているミネラルの一つカリウムが、余分な塩分を体外に排出させる働きをするので、高血圧の方にもおすすめなんです。
ミネラルといえば、約40億年前に生命が誕生したわけですが、原始生命に近づけば近づくほどミネラルで生きていたんです。
ぬちマースを開発した瞬間、生命にとって一番大事なものはミネラルなんだということが理解できましたね。
それで生命に必要なミネラルが豊富に含まれた「命の塩」ということで、ぬちマース(命の塩)と命名したわけです。
── ミネラルは沖縄の長寿にも関係ある。
高安:沖縄が世界一の長寿地域なのはなぜだと思いますか? 気候や食事ももちろん関係していますが、それは枝葉にすぎません。
実はもとになるのは台風なんです。沖縄には台風が毎年、何回もやってきますね。甚大な被害をもたらす悪者というイメージしかないでしょう。
でも実は台風がミネラルを含んだ海水を吸い込んで、沖縄にミネラルを戻してくれているんです。
台風が運んだ海水のミネラルを植物や家畜がその体に取り込んで、それを昔の沖縄の人たちは食べていたんです。
生命にとって一番必要なミネラルをたっぷり含んだ島内産の動植物を否応なしに食べていたわけですから、だから長寿なんです。それが長寿の秘密です。
私はこれを「沖縄台風長寿説」と呼んでいます。いま島内産の野菜などは3割を切っています。その他を全国から補っていますが、ミネラルの少ない食材を食べ続ければ沖縄の寿命も全国一律になってくると思いますね。
高安:この話しを牛乳協会の人たち20〜30人の前でやったことがあるんですが、あるおじいさんが急に「だからうちの牛は8回もお産ができる。若い人たちの牛は4回しかできない」と言い出したんです。
おじいさんの牛はいつも台風にさらされた自然の草を与えていたそうです。若い人たちが育てている牛は、アメリカなどから輸入した干し草を与えていた。
おじいさんの牛はミネラルたっぷりの草を食べているから元気なんだ、いまの話しで納得がいったとおっしゃっていましたね。牛と女性を同じようにいうのも失礼ですが、昔の沖縄の女性は6〜8人と子どもを生んでも、いまでも元気に過ごしていますよ。
これは島内産の植物のミネラルをバランスよく食べていたからなんです。ミネラルが母胎を丈夫にし、健康な赤ちゃんが生まれたんだと思います。
ぬちマースはその8割が県外で売れています。これは健康に対する意識の違いというよりも、まだまだ沖縄の人たちの体がぬちマースも欲していないからだと思っています。
そういえば、出生率はずっと全国一を誇っていますよね。いま一番裕福なミネラルを食べているのがウチナーンチュということなんでしょう。生命にとって一番いい土地、それが今の沖縄なんじゃないでしょうか。
そういうわけで、沖縄の海からつくられるミネラルバランスのいい「ぬちマース」は、「命の塩」と呼ぶに相応しい塩だと自信を持っていえるわけです。
── 最後にこれからの夢をお聞かせください。
海水ミネラルの可能性を目指したい。
高安:来年秋ごろ完成予定で太平洋側にある宮城島に工場を移転しますが、自分の考えを試せる施設をつくりたいと考えています。
ミネラルが豊富なぬちマースを摂取することにより妊婦の羊水は健康になると予測していますが、こうした研究を通して地域の人たちに貢献したいと考えています。
さらに敷地内には、海のミネラルを利用したエステサロンをはじめ、健康と癒しをテーマにした健康長寿ランドをつくりたいと考えています。さらに海のミネラルだけを抽出したマルチサプリメントもつくってみたいと思っていますね。
高度な技術がいると思いますが、ぜひ成功させたいですね。
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沖縄のミネラル海塩 ぬちマース ぬちマースは海水を微細な霧状にして吹き上げ水分を気化させて作られているため、粉雪のようにサラサラとしたパウダー状の美しい塩です。食卓でそのままお使いいただくのに向いています。湿気を帯びると固まることがありますが、その際はホイルで包んで少し過熱し、湿気を飛ばすと良いようです。
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名称/食塩
原材料名/海水 製造方法/結晶:瞬間空中結晶法 内容量/250g 保存方法/常温で保存 製造者/ベンチャー高安 |
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