
想像をはるかに超えていた、石垣島ラー油。
近年、県内外の沖縄物産店では品切れ状態が続いており、なかなか手に入りにくい石垣島ラー油。「沖縄で作られている、本当にいいものをお届けする」のが使命である「沖縄の○印」としては、これほどの商品を見逃すわけにはいきません。まずは商品を1本購入し試食してみました。「石垣島ラー油」は、小さなペットボトルに詰められており、ボトルの底1/4には細かく刻まれた香辛料が沈んでいます。よーく振ってからふたを開けると、まるで中華ドレッシングのような、スパイシーで濃厚なゴマ油と香辛料の香りがぱあっと広がりました。
いざ、小皿にあけて、おそるおそる舐めてみると……「あれ、思ったより辛くない」との声が。確かに舌にピリッとはきますが、一般的なラー油の辛みとは違って、かなりマイルドな感じ。むしろ、複数の香辛料が混じり合い、辛みの中にも甘みを感じさせる、深い味わいが印象的です。

さっそく石垣島ラー油に少し醤油をたらし餃子につけて食べたところ、「ワンランクおいしく感じる」ことが判明。その後、そのまま豆腐をつけて食べてみると、まさに「塩分控えめのピリ辛中華ドレッシング」という感じ。男性陣から「酒のつまみにぴったり」との意見、女性陣からは、「しょっぱくないし、炒め物や焼き肉の風味付けにもよさそう」「麻婆豆腐にもぴったり」「サラダ用ドレッシングのベースにいいかも」などの声も上がりました。どうやらこれはただの「ラー油」ではなく、「食卓でも台所でも活躍するラー油という名前の調味料」と、とらえたほうがいいようです。いずれにしても、製品自体の評価は間違いなく「○」。そこで○印スタッフは、生産者の方に直接お話を伺うべく、製造元である石垣島の「辺銀(ペンギン)食堂」を訪ねていくことにしました。(以下、プロダクトインタビューへ)

今回は、作り方はとっても簡単だけど、とてもおいしいディップを紹介しましょう。石垣島ラー油の香ばしさが一段と引き立つおいしさです。フランスバンやクラッカーなどでお楽しみにください。ワインはもちろん、ビールにもおすすめです。(料理工房・てだこ亭 飯塚みどり)
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●材料(2人分) 1.クリームチーズ 100g 2.石垣島ラー油 小さじ1 3.アンチョピペースト 小さじ1/2 4.胡 椒 少々 |
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●作り方 1.クリームチーズをレンジで柔らかくします(約30秒)。 2.やわらかくなったクリームチーズに、石垣島ラー油を加えよくまぜ合わせます。 3.さらにアンチョビペーストを加えて、よくまぜ合わせます。 アンチョビペーストは塩味が強いので、好みにより調節してください。 4.最後に胡椒を少々加えれば、できあがり。 お好みによりパセリのみじん切りをいれてもOKです。 一晩おくと味がなじんで、さらにおいしくなるそうです。 なお冷蔵庫に入れて1週間ほどはおいしくいただけます。 |
◆プロダクトインタビュー
石垣島ラー油のヒミツに迫る!
石垣島でお会いしたのは、辺銀食堂の店主・辺銀暁峰さんと、奥様の愛理さん。暁峰さんは中国・西安生まれで、「辺銀(ペンギン)」というお名前はご本名なのだそうです。かつて、東京でカメラマンとして活躍していた暁峰さんは、編集の仕事をしていた愛理さんと一緒に「自然の中でゆったり暮らす生活」を夢見て石垣島に移住。そこで生活の傍ら、島の食材を使ってラー油を作っていたところ、口コミで評判を呼び、県内外の物産店で販売されるようになったのがきっかけで、爆発的な人気商品に。この個性的なラー油のおいしさのヒミツはどこにあるのか、そして辺銀夫妻が石垣島に寄せる思いとは? お二人から詳しくお話を伺いました。

── 辺銀さんご夫妻が「石垣島ラー油」を作り始めたきっかけは?
もともとラー油は旦那の趣味のようなもの…
愛理さん:きっかけというか、もともとラー油作りは旦那の趣味のようなものだったんです。彼は中国の出身なので、昔から旅行に行ってはその土地の食材を買ってきて、それでラー油を作って楽しんでいたんですね。石垣に引っ越してきてからも、同じように石垣の食材を使って、あくまで自家用として作っていました。それが、たまたま知り合いだった銀座わしたショップの店長さん(当時)にお分けしたら、「これ、ぜひ売りましょう」と口説かれたんです。最初は「えー、こんなの売れないよ」って言ってたんですが、試しに店に置いてもらったら、あっという間に人気商品になってしまいました。── ヒットした理由はどこにあったのでしょう?
「ラー油」とはまったく違い、一度食べたら忘れられない味だからじゃないかな?
愛理さん:今まで(日本人が)思っていた「ラー油」とはまったく違っていて、一度食べたら忘れられない味だからじゃないかな? これはラー油というより独自の調味料で、餃子のタレに入れるだけじゃなく、ちゃんぷるー、刺身、焼きうどん、焼きそば、みそ汁、何にかけてもおいしい。いつも食卓に置いて、醤油のような感覚で使えます。中の具もそのまま食べられるし。暁峰さん:味の決め手は、やはり具でしょうね。沖縄で収穫できない山椒とゴマ以外の材料(島唐辛子、ウコン、ピパーチ、塩、黒糖、ニンニク、黒豆)は、すべて八重山で採れた無農薬のものだけを使っています。どれも年に数回しか収穫できなくて、量が限られているので、生産本数もこれ以上は増やせないんです。特にピパーチは栽培できないので、うちでは石垣に自生しているものを大切に増やして使っています。最近では、台湾産のピパーチを沖縄産と言って売っていることも多いようですが、やっぱり石垣島で採れたものは、香りも色もぜんぜん違いますから。
それに何より、このラー油はすごく体にいいんですよ。もともと体にいい素材を使っているし、その栄養分が油に溶け出すことで、さらに吸収されやすくなっているんです。
── では、具体的にラー油はどのようにして作っているのですか?
手作業で、一種類ごとにハーブオイルを作るという面倒なやり方です。
暁峰さん:材料の個性を生かすため、全部一緒に仕込むのではなく、一種類ごとに油(ゴマ油とオリーブオイル)を熱した中に入れてハーブオイルを作り、最後にそれを合わせるという面倒なやり方をしています。1回の仕込みに10時間はかかりますね。
愛理さん:おまけに、それぞれ材料によって油の適温が違っていて、ちょっと温度が上がるだけで焦げてしまうので、仕込めるのはそのへんのコツをわかっている旦那だけなんです。最近ではラー油の作りすぎで、彼の右手が腱鞘炎になっちゃって(苦笑)。注文はあるのに生産量が増やせないのは、材料を厳選しているせいもありますけど、彼の腱鞘炎も原因のひとつです。医者にも「これ以上、右手を酷使するな」と止められているし、もうすぐ幻のラー油になるかもしれません(笑)。

暁峰さん:あと、仕込みだけでなく、その後の行程も多くが手作業です。ラベルも和紙を手でちぎって貼っているし、瓶詰めだってちょっと前までは箸で詰めてたくらい(笑)。1回の仕込みでできたラー油を3〜4日かけて瓶詰めしていくんですが、最初はなかなかうまくいかなくて、詰める段階で半分以上こぼしちゃったり、ふたを閉めようとして押しすぎて、容器(ペットボトル)をつぶしちゃったりしたこともありました。
愛理さん:1本ごとの具の量が揃わなくて、「お客様が好みで(具の量を)選べるのもいいよね〜」なんて言ってたことも(笑)。今もまだそれに近い状態ではありますが、当初に比べればすごく機械化されたなぁと思います(笑)。

── 最後に、お二人が目指している石垣島での生活とは、どのようなものなのでしょうか?
自然とともに暮らしていきたい。
愛理さん:私たちはブランド品もフェラーリも要らないけど、食事だけはおいしいものを食べたいっていうタイプ。そうすると、究極は材料から自分で育てるのが一番ってことになるんですね。たとえばネギだって、普通より早めに収穫した柔らかいものを食べたいと思ったら、自分で作るしかないでしょう。だから沖縄に来たら、まず畑をやろうと思ってました。でも、実際に畑仕事を始めてみたら、沖縄では太陽と土が仕事をしてくれるから、人間はせいぜい台風のときに世話するくらいでいいんですね。台風にしたって、迷惑な反面ありがたいこともたくさんあって、畑の害虫は吹き飛ばされて全部いなくなるし(笑)、木の枝も、必要のないものはポキッと折れて自然に伐採された状態になる。その姿を見ていると、生物はみんなそうやって生きているんだなあって実感します。人間はやっぱり自然があってナンボのモンです。私自身、都会での生活が息苦しくなってここに来たわけですし。
もともと沖縄は、野菜、肉、魚、塩、砂糖、なんでも自給自足できる場所だから、昔から食生活は満ち足りていて、何も心配せず生きていけたんじゃないでしょうか。戦争や税金がなかったら、本当に天国だったはず。今だって、西表島に自給自足で料理店を開いてる知人がいるけど、その人は湾に魚が入ってきたと聞いたら、たとえ予約が入っていても店を閉めて漁に出ちゃうそうです(笑)。でも、これこそが沖縄らしい暮らしですよね。私たちも、いずれはそういうふうに暮らしたいと思っています。だって、そのために石垣に引っ越してきたんですから。スタッフの一言:辺銀夫妻との会話で伝わってきたのは、「大事なのはお金ではなく、自然の中でゆったり暮らせること」という明確な信念と、「島の素材を使った、体にいいものを作る」ことへの強いこだわりでした。その気持ちがあるからこそ、ラー油の製造で多忙を極め、腱鞘炎に悩まされつつも、前向きに仕事に取り組むことができるのでしょう。辺銀夫妻の愛する石垣島の恵みがぎっしり詰まった「石垣島ラー油」は、一口食べれば体も心も元気になれることうけあいのおいしさです。この感動、ぜひ自分の五感で味わってみてください!
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